今回 のCD MONOCHROME BLUEに収めた多くの曲は、亡くなったミュージシャンや最愛の母への追悼、そして遠く過ぎ去りしあの青春時代への思い出などのために作曲したものです。

まず１曲目のMARIA CERVANTESは１９８１年に亡くなったキューバの女性ピアニスト・作曲家　マリア セルバンテスにノロ モラレスが捧げた非常にチャーミングな曲です。数年前に始めて聴いて心が高揚して以来、いつか録音したいと思っていた曲でピアニスト、 クラウスもここで見事な演奏を繰り広げています。

２曲目のYOU SHOULD GO ALL THE WAYはメロディーが先ず思い浮かび、その後すぐに歌詞が自然に天から降りて来ました。歌詞の内容は、たった一度の人生だからトコトンやりなさい　と言うような意味で、この曲のサウンドからニューヨークのような大都会が思い浮かぶのは私だけでしょうか？ハリウッド バックアップ シンガーズがここでは大いにサウンドを盛り上げてくれています。

３曲目FUEGOはスペイン語で炎と言う意味です。スパニッシュ フレイバーのこの曲は以前、２００２年発売のCD： A TRIBUTE TO BADEN POWELL AND ANTONIO LAUROで一度発表しましたが、その後そのCDは長い間 廃盤となっており、今回再度この曲をCDに含めることにしました。
一世を風靡したCHICK COREAのグループ RETURN TO FOREVERに捧げたフュージョンの曲です。

４曲目SEPTEMBER SERENADEはまさにそのタイトルからも推測できるようにSEP11, ２００１年の犠牲者に捧げた曲で、ここでは私が全てをオーバーダブで録音しています。 この曲も２００２年発売のA TRIBUTE TO BADEN POWELL AND ANTONIO LAUROのCDでも聴くことができましたが、今回新たにパーカッションやヘリコプターのサウンドなどをオーバーダブし、また後半はシンセサイザーによるソロも付け足して新しいバージョンとして編集してみました。

５曲目MY DEEPEST PRAYERは悲惨な死を遂げた天才ベーシスト ジャコ パストリアスに捧げた曲。イントロから始まりメロディーを見事にフェイクしながら全編にわたりピアニスト、キーボード奏者の今泉泰樹氏の絶妙なプレイが非常に印象的です。またキーボードで参加したクラウスもバックで効果的なサウンドを繰り広げ、この曲での重要な役割を演じています。

６曲目THE NEARNESS OF YOUは、友人のフロリダ在住の名ギタリストWILLIEがこの曲を演奏していたのを聴き、ここでは彼とのデュオで演奏することになりました。ピアノのROBの名伴奏、そして今泉氏のストリングスに囲まれて、心地よく演奏することが出来ました。この曲は他のもっと有名なジャズ　スタンダードと比べると地味で過小評価されている曲かもしれませんが、その歌詞の内容には素晴らしい物語があります。

７曲目のMONOCHROME BLUEは亡き母に捧げた曲です。

大磯で生まれ５歳まで海を見て育った私。母に手を繋がれて大磯の駅から海岸のそばの自宅に帰る時、突然 真っ青な海が見える交差点がありました。＜あっ　海だ！＞　といつも声を出したのを今でも鮮明に覚えています。
２０１０年、母の三回忌で数十年ぶりに大磯を訪れたとき、偶然にもその交差点にたどり着き、あの頃と同じ風景を見ることが出来たのです。

過去の思い出は全て　モノクロ写真＝MONOCHROMEとなってしまっているが、突然見えたあの交差点からの真っ青な海の色とその景色は今でも変わらず心の中にあります。その真っ青な海がこのCDタイトルのBLUEのことで、ここでは親友のピアニスト、クラウスのピアノ演奏とストリングスのアレンジメントが見事です。

８曲目BAREFOOT SARAH/ 裸足のサラ

若かったあの頃。いつものようにいつもの仲間が、いつもの場所に集まっては毎日のようにサーフィンに明け暮れていた。 時間は無限にあるように思われたあの青春時代。やがて一人二人と現実に向かい、いつの間にか仲間達が一人二人と去っていった。あれから半世紀が経ってしまったが、皆時おりあの頃の青春時代を思い出して懐かしがっているだろうか？

SARAH、あれから君はどうして 暮らしているのか？

君は＜ずっと　いまでも　僕のサーファーエンジェル＞

９曲目はBAREFOOT SARAHのインストバージョンです。

SONG ORDER:

All songs composed by Shinobu Ito except:
"Maria Cervantes"composed by Noro Morales&
"The Nearness of You" composed by Hoagy Carmichael

RECORDING MUSICIANS:

01: MARIA CERVANTES
   
    E. Guitar: Shinobu Ito
    Piano: Klaus Mueller
    A. Bass: John "Trilian" Patitucci
    Chorus: Hollywood Backup Singers
    Percussion: Cuban Latin Boys

02: YOU SHOULD GO ALL THE WAY
   
    E. Guitar: Shinobu Ito
    Keyboard & Synthesizer: Klaus Mueller
    Bass: Jaco "Trilian" Pastorius
    Drums: Jay Marshall
    Chorus: Hollywood Backup Singers

03: FUEGO (In memory of Return to Forever)
   
    E. Guitar: Shinobu Ito
    E. Piano & Synthesizer: Yoshiko Tachibana
    Sequencer Programming: Shinobu Ito

04: SEPTEMBER SERENADE (In memory of Sep 11th)
   
    All Music played by Shinobu Ito

05: MY DEEPEST PRAYER (In memory of Jaco Pastorius)
   
    Keyboard & Synthesizer: Taiki Imaizumi & Klaus Mueller
    Bass: Jaco "Trilian" Pastorius
    Drums: Stylus RMX
    Chorus: Hollywood Backup Singers

06: THE NEARNESS OF YOU
   
    E. Guitar: Shinobu Ito & Willie Carrero
    A. Piano: Rob Landeros
    Keyboard & Synthesizer: Taiki Imaizumi
    Shinobu on left side & Willie on right

07: MONOCHROME BLUE ~ I dearly miss you (In memory of my mom, Kyoko)
   
    Grand Piano: Klaus Mueller
    Violin: Carrie Frey
    Cello: Julia Henderson
    A. Guitar: Shinobu Ito
   
    Strings Arrangement: Klaus Mueller
    Piano recorded at Michael Brorby Studio
    Strings recorded at Klaus Mueller Studio

08: BAREFOOT SARAH (Vocal) (In memory of Malibu, CA 1975)
   
    Vocal: Shinobu Ito
    E. Guitar: Shinobu Ito
    E. Bass: Jaco "Trilian" Pastorius
    Backup Chorus: Lady Blue & Kathleen Forest
    Voices on Phone: Sarah & Shinobu

09: BAREFOOT SARAH (Instrumental: In memory of Malibu, CA 1975)

    All music played by Shinobu Ito